専門・認定看護師

専門看護師のご紹介

急性・重症患者看護専門看護師とはどういう資格ですか?

実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つの役割を持っています。
緊急度や重症度の高い患者さんに対して集中的な看護を提供し、患者さん本人とそのご家族の支援、医療スタッフ間の調整などを行い、最善の医療が提供されるよう支援していきます。

急性・重症患者看護専門看護師を目指したきっかけは?

看護師になってすぐに救急や集中治療室に配属となりました。実践するなかで、「患者さんの持っている生きる・回復する力を最大限に発揮できるようなケアとは何か?」「クリティカルな状況にある患者さん、ご家族、そしてそのケアを提供する医療者の倫理的葛藤をいかに支援するのか?」という自分自身の問いに挑戦することがきっかけです。

資格取得にあたって苦労したことは?

大学院での学びは新鮮なことばかりで充実していました。苦労したことは何といっても、実践や起きている事象、思考の言語化をすることです。言葉にしていくことは本当に苦労しました。今もですが…。

資格を活かした今後の目標や活動は?

重症患者さんが多い集中治療室や救急病棟、救急外来などで質の高い医療・看護ケアを提供していきたいです。また教育的役割のもと、一般病棟における重症患者さんの医療・看護ケアの質向上にも尽力していきたいと思っています。

最後にメッセージ

看護基礎教育後にはじめの社会人生活、看護師として活動することに不安もいっぱいあると思います。当院は新採用研修に加え、多領域の専門看護師や認定看護師による院内研修を開催しています。自己のキャリアアップができるように支援を行っていますので安心して当院にいらしてください。

認定看護師のご紹介

アルメイダ病院では「感染管理」「皮膚・排泄ケア」「救急看護」「集中ケア」「緩和ケア」「がん化学療法看護」「がん放射線療法看護」「がん性疼痛看護」「脳卒中リハビリテーション」「新生児集中ケア」「摂食・嚥下障害看護」「認知症看護」の12分野で認定看護師が活躍しております。

救急看護認定看護師とは、どういう資格ですか?

高度先進医療を担う救急医療ニーズに応えて、救命技術をはじめ危機的状況にある患者様および家族への精神面の看護にいたる幅広い救急看護領域の知識や技術に熟達し、的確な判断にもとづいた確実な救命技術の実践・指導・相談ができることを主な目的としています。

救急看護認定看護師を目指したきっかけは?

救急領域で日々勤務する中で、自身が行っている看護実践と指導は最新情報を含む根拠のある内容なのか?と疑問を感じたことがきっかけです。

資格取得にあたって苦労したことは?

教育機関終了から認定審査までの期間は、仕事との両立になります。その期間のタイムスケジュールを達成することに苦労しました。

資格を活かした今後の目標や活動は?

当院は救命救急センターを有し、日々様々な病態の患者様が搬送されます。その現場で病態の緊急度・重症度を基軸とし、少ない情報から状態を予測・判断し急激な状態変化に即応した看護援助が行われることを目指し、救急看護認定看護師として実践・指導・相談を行っています。チームが一丸となり、ディスカッションしながら患者様の回復という目標に向かっていくために必要な、教育と組織の更なる体制の構築が今後の目標です。院内教育として、心停止回避を目的とするINARS開催と新採用教育におけるBLSを開催しています。今後も院内全体の救急対応のスキルを底上げする目的で、現状を分析し教育体制の強化に努めていく活動を継続していきます。また、呼吸ケアチームのメンバーに所属し、学習会の実施や呼吸療法における医療安全と呼吸器ケアのレベルアップを目的とした活動を行っています。これからも、より質の高い救急医療を推進するため時代に即した科学的救急看護の質の向上を目指し活動を続けていきます。

最後にメッセージ

みなさま、初めまして。中尾和恵と申します。救命救急センターに勤務していた2012年に、根拠のある現場指導が出来るようになりたいと思い、救急看護認定看護師を取得しました。2017年に、現在所属する脳神経外科・整形外科病棟に異動となり、救急看護認定看護師として、心肺停止になる前の急変前兆候に気づくことが重要と指導しています。現在は、看護師が感じる患者さんの「何か変?」を伝えてもらえます。急変が起きた後も、自信に繋がる振り返りをタイムリーに行っています。急変時のプロトコールに沿って行動出来たのか?個人の課題は何か?を一緒に見つけていきます。個々のスキルも重要ですが、チーム力の振り返りを大事にしています。スタッフ全員でフォローできる病棟が私の自慢です。
また、トピックスを含めた口腔ケアとフィジカルアセスメントを用いた呼吸ケアなどをベッドサイドで指導しています。さらに専門性の高い病棟勉強会も定期的に開催していますが、医師と一緒に私たちがしっかりサポートしています。超急性期脳卒中患者さんと整形外科手術前後の患者さんの看護に緊張の毎日ですが、多職種でチームとして関わる中で、患者さんとご家族とスタッフで、一緒に笑顔になれることがパワーに繋がっていて楽しいです。4月の集合教育で、「今日からできるBLS」研修を担当しています。最後までお読み頂いたみなさまと、お会いできることをとっても楽しみにしております。

救急看護認定看護師とは、どういう資格ですか?

救急看護認定看護師として活動を始め10年が経ちました。救急看護認定看護師の主な役割は、救急医療現場における病態に応じた迅速かつ的確な救命技術とトリアージを実施し、危機状況にある患者・家族への早期的介入および支援を行います。また、災害時における急性期の医療ニーズに対するケアも行います。

救急看護認定看護師を目指したきっかけは?

私が救急看護認定看護師を目指したきっかけは、救急外来で働いていた当時の上司が勧めてくれたからです。私が問診をした患者様が、その後急変したことがあり、その時、「予測性をもって患者様を看なさい。もっと広い視野を持ち、知識を深め、救急の患者様やそのご家族にとって看護の力がどれ程大きなものか学びなさい。」と言われ、救急外来からICUに異動し、認定看護師過程に進みました。

資格取得にあたって苦労したことは?

東京の救急看護認定看護師過程に進んだ私が一番苦労したのは病院実習でした。限られた実習期間で決まった数の症例数を経験し、認定看護師として看護過程に沿った救急看護実践を行い、臨床看護師への技術指導を通して、臨床事例の問題を解決することは難しかったです。自分の知識の浅さと指導技術の無さを痛感した実習でした。

資格を活かした今後の目標や活動は?

私は看護学校の専任教員を経験させていただき、看護学生に対して基礎教育を行う中で、改めて“救急看護を教え、共に学び、深めたい”という思いが強くなりました。そして今は臨床現場に戻り、患者様やご家族に向き合い、救急病棟スタッフ全員で患者様とご家族が笑顔で退院できるよう取り組んでいます。今後も救急病棟のみならず病院全体の急変時対応のスキルの底上げと蘇生率向上に取り組んでいきたいと思います。

最後にメッセージ

救急医療の現場では大変なこともたくさんあります。しかし看護の力がとても大きな力になり、やりがいを感じることが出来ると思います。一緒に救命救急センターの看護師としてがんばりましょう。

がん化学療法看護認定看護師とは、どういう資格ですか?

がん化学療法看護認定看護師とは、抗がん剤治療を受ける患者様の安全・安心を第一に考え、治療に伴う副作用などの苦痛が少しでも緩和できるように水準の高い看護を実践すること。また、患者様やそのご家族、それらを支える看護職の相談にのり支援することなどが求められています。

がん化学療法看護認定看護師を目指したきっかけは?

私は消化器外科病棟で勤務しているときに、抗がん剤を受ける患者様から副作用の辛さや治療を継続するかの不安などを訴えられた時に十分な知識がなく困った経験がありました。患者様の辛さを少しでも軽減できる看護が提供できるようになりたいと思い、平成23年にがん化学療法看護認定看護師の資格を取得しました。

資格取得にあたって苦労したことは?

大学での6か月間は、試験やレポート、実習など大変なことも多くありましたが、多くの友人を得る機会となりました

資格を活かした今後の目標や活動は?

がんは国民の2人に1人は罹ると言われる身近な病気です。がん医療の進歩は目覚ましく、抗がん剤治療においても新しい治療法が開発されています。入院・外来のどちらでも質の高い看護が提供されるよう努力していきたいと思っています。さらに今年度より、院内認定看護師「がん化学療法看護院内認定ナース」の研修も開始しています。院内認定看護師が各部署で中心的に抗がん剤治療に関わり、問題や疑問を抽出し共に改善へ向けて取り組むことで、院内の看護の質の向上に努めていきたいと思います。

最後にメッセージ

今後も自己研鑽に励み、院内のがん化学療法が安全且つ円滑に実施されるよう他職種との連携を図りながら、認定看護師として実践・相談・指導の役割を発揮していきたいと思っています。

資格を活かした今後の目標や活動は?

がんの治療の中でも化学療法は免疫チェックポイント阻害薬・分子標的薬・殺細胞性抗がん薬と多様化しており、目覚ましく進歩しています。それぞれ特徴があり、様々な有害事象が出現します。それらの特徴を踏まえながら患者さんやその家族の方の生活を第一に考え、安心・安楽にそして安全・確実に治療が受けられるよう医師・薬剤師・など他職種と協力しながら患者さんのサポートをさせていただきたいと思っています。また、がん患者さんに関わるスタッフへの勉強会や投与管理など指導を行いながら質の高いケアが提供できるように取り組んでいます。治療で不安なことや疑問に思うことがありましたら遠慮なくお聞きください。微力ながら患者とその家族の方を支える力になりたいと考えています。

感染管理認定看護師とは、どういう資格ですか?

感染管理認定看護師(CNIC)の役割は、感染管理に関する知識を生かし医療施設内で多職種の方々と協働し、医療施設を利用する患者様はもちろん、そのご家族や現場で働く全ての人を感染源から守ることです。

感染管理認定看護師を目指したきっかけは?

数年前、感染性胃腸炎の集団感染(アウトブレイク)をきたした際にCNICを中心に病院全体で対応して、終息するという経験をしました。その直後に入院した患者様からの「この病院は安心だね」という言葉で、感染対策の重要性を再認識しました。ちょうど自身のキャリアアップについて考える時期と重なり、感染管理について学ぶ一つのきっかけとなりました。

資格取得にあたって苦労したことは?

感染管理については長野県看護大学の認定教育課程で学びました。平成26年6月から翌年1月までの8ヵ月間、大分から、また臨床から離れることになりました。ホームシックにかかる間もない講義、テスト、レポート、グループワーク、プレゼン、そして実習に追われた濃厚な日々は、今となっては良い思い出です。こちらに戻ってきて2年になりますが、共に過ごした仲間とは今でも感染管理に関する情報交換をしています。

資格を活かした今後の目標や活動は?

感染症の原因は、目に見えないウイルスや細菌などの病原微生物です。健康であれば病原微生物が体内に入っても感染症を起こしませんが、入院生活を要する患者様は疾患や治療の過程で免疫力が低下した状態といえます。したがって、医療関連感染症を合併しないよう十分な注意と管理が必要です。そのため当院では医師、薬剤師、臨床検査技師、看護師、事務員からなる感染制御チーム(ICT)を組織し、毎週のミーティングや院内ラウンドを実施するなど感染防止対策に取り組んでいます。

最後にメッセージ

近年話題となったMERSやデング熱などの輸入感染症、結核や麻疹などの再興感染症、そして季節型インフルエンザなどについても対応できるよう、ICTの一員として努めていきたいと思います。

集中ケア認定看護師とは、どういう資格ですか?

集中ケア認定看護師は、生命の危機的状態にある患者様に対して、熟練した看護技術を用いて病態変化を予測し、重篤化の予防をおこない、水準の高い看護を実践すること。また、実践を通じて他の看護職者等に対して指導すること。そして、看護職者や患者様およびそのご家族の相談にのり支援することなどが求められます。

集中ケア認定看護師を目指したきっかけは?

私は平成16年に当院に就職後、ICU・救急領域で勤務していましたが、その知識は浅く、深いものではありませんでした。患者様やそのご家族に対して、根拠に基づいた、水準の高い看護をおこないたいと考え、平成23年に集中ケア認定看護師の資格を取得しました。

資格取得にあたって苦労したことは?

集中ケア認定看護師の教育課程では、学習範囲が幅広く、試験やレポート、グループワークなどの課題をクリアすることに苦労しました。しかし、全国から同じ目標に向かって共に学んだ仲間の存在は心強く、人的ネットワークの輪を広げることができました。また、温かく送り出してくれたアルメイダ病院の支援もあり、様々な知識や経験を得ることができました。

資格を活かした今後の目標や活動は?

集中ケア領域である集中治療室には、過大侵襲を伴った手術後の患者様や、病棟で病態が重篤となり全身管理が必要な患者様、突然の疾病や外傷、熱傷などにより生命の危機的状況に陥った患者様が入室してきます。そのため、看護師には熟練した知識・技術の習得が必要です。加えて、さまざまな情報をもとに判断するアセスメント能力も求められます。患者様およびそのご家族へ水準の高い看護を提供するために、定期的に研修会をおこなっています。また、呼吸療法における医療安全と呼吸器ケアのレベルアップを目的としたRST(Respiration Support Team)の一員としての活動も行っています。さらに平成29年度より、院内認定看護師「呼吸のフィジカルアセスメント院内認定ナース」の研修も開始し、院内認定看護師が各部署で中心的に呼吸ケアに関わり、部署での問題を抽出し共に改善へ向けて取り組むことで、院内の呼吸ケアの底上げを目指しています。

最後にメッセージ

私は2019年9月より集中治療室から一般病棟に配属となりました。集中治療室での患者様2人に対して看護師1人の集中ケアとは異なり、一般病棟ではたくさんの患者様を限られた時間で受け持たなければならず、「正常を知り、異常を見抜く能力」が求められます。そのために集中ケア認定看護師として、看護の基礎であるフィジカルアセスメントを通じて急変させないための看護、急変時の看護に取り組んでいます。
また、主任としてスタッフと話し合いを行い、様々な思いを聞き、少しでも働きやすい職場環境となるように働きかけを行っています。新しいことへの挑戦や環境改善は決して簡単なものではありませんが、一緒に看護について考えながら共に働いてみませんか。

皮膚・排泄ケア認定看護師とは、どういう資格ですか?

皮膚・排泄ケア認定看護師は、創傷・オストミー・失禁の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護を実践します。
 しかし、24時間365日患者さんの傍でケアをするのは病棟で働く多くの看護師です。看護の質の向上のためには、この多くの看護師への教育や協力が必要となります。そこで、私の役割として看護師への教育や相談対応があります。当院ではキャリア開発ラダーを導入し、新人教育から各ラダーの段階に応じた研修を受けることが出来ます。そこで、更なる看護の質向上のため、創傷ケアナースとストーマケアナースの2つの領域の院内認定コースを立ち上げました。
 院内認定は、ラダーⅢ以上の看護師が対象で、年間3回の院内研修と1回の院外研修会へ参加します。最後の研修会では筆記試験があり、合格すると院内認定となります。院内認定者は各部署の専門領域の問題点の抽出やケアを主導的に行い、皮膚・排泄ケア認定看護師への橋渡し的な役割を担っています。
 興味を持った領域を自ら学び、考え、実戦することは、改めて看護を見直す機会となり、やりがいや達成感を感じることが出来ます。私自身、志高く学ぼうとするスタッフの姿に明日への力をもらっています。

皮膚・排泄ケア認定看護師を目指したきっかけは?

看護師1年目から消化器外科病棟に入職し、ストーマケアに携わりました。トラブルの生じた患者様の苦痛を実感し、少しでも助けになりたいと思い勉強しました。勉強会で出会った皮膚・排泄ケア認定看護師は雲の上の存在で、目指すというよりも、熱狂的なファンのように憧れていました。

資格取得にあたって苦労したことは?

私は、認定看護師教育課程に行くときには結婚し、1児の母でした。県外に長期滞在が必要でしたので、我が子と離れて夢を実現させるのは、身を引き裂かれる思いでした。この苦しみに変わる苦労はないと、必死で勉強したのを覚えています。教育課程では追われるように毎日学びました。本当に大変でしたが、今となっては貴重な経験だったと思います。

資格を活かした今後の目標や活動は?

私は2012年に皮膚・排泄ケア認定看護師となり5年目となりました。院内の教育整備、臨床現場の看護の質の維持・向上を目的に手順書やマニュアルの整備などを重点的に行いました。今後は院内認定看護師の誕生と活躍できる組織づくりを行いたいです。また、地域連携の中心になれるように、病院の枠を超え、地域の多職種と連絡し、活動の幅を広げたいと考えています。

最後にメッセージ

臨床現場ではさまざまな悩みや問題があります。そのひとつひとつに真摯にむきあい、取り組み、ひとりでも多くの患者さんが笑顔になれたらと思います。

がん放射線療法看護認定看護師とは、どういう資格ですか?

放射線療法の中でも、放射線治療を受ける患者、家族の身体的、心理的、社会的問題をアセスメントし、安全に治療が完遂するよう支援する役割を担っています。放射線治療計画から副作用を予測し、予防的観点からケアを行い、適切な症状マネジメントを行います。

がん放射線療法看護認定看護師を目指したきっかけは?

放射線治療においてローテーションで外来看護師が対応していました。担当になった際、患者様から相談を受けても知識が乏しいことで、良い医療提供ができないと感じていました。放射線治療は、目に見えない治療であるため患者・家族様に対し、副作用のリスクについて、治療に対する不安の軽減や治療意欲に繋げたいと思い認定看護師を目指しました。

資格取得にあたって苦労したことは?

慣れない土地での生活や講義やレポート、課題も沢山あり看護師人生の中で1番机に向かった6か月だと思います。そして、社会人としてのマナーや成人学習者としての学びができ貴重な時間を過ごすことができました。

資格を活かした今後の目標や活動は?

放射線療法は、治療の完遂が1番の目的です。有害事象の予防的ケアから患者様の体調変化に合わせたケアが提供できるよう、放射線治療医、主治医や病棟スタッフと相談し適切で統一したケアや対応ができるように調整を図っていきたいと考えています。

最後にメッセージ

放射線治療に対して、「怖い」と思われている方が多いと感じていますが、放射線治療は安全に実施すれば、低侵襲で「怖い」治療ではありません。
放射線治療を受けられる患者様・ご家族が、感じておられるそれぞれの思いや不安を伺い、安心・安楽に治療が受けられるよう環境調整、情報提供を行い、患者様が自分らしく生活できるよう多職種との連携を図り、サポートしたいと思っています。また、治療をすることで起こる副作用に対しての予防やケアを行い、予定された治療を最後まで受けて頂けるように取り組んでいます。

がん性疼痛看護認定看護師とは、どういう資格ですか?

がん性疼痛を有する患者様と家族に対し、痛みの総合的な評価と個別ケアを実施する。また、薬剤の適切な使用および疼痛緩和を他職種と共に検討し、より質の高い医療・看護を提供する役割があります。

がん性疼痛看護認定看護師を目指したきっかけは?

私は看護師1年目より消化器内科に努めていました。そこでがん患者様と関わり、がんの痛みをかかえている患者様の援助をしてきました。その後、循環器内科で務めた際に他科に入院をするがん患者さんの痛みに苦難し、痛みについて勉強をしたいと思いました。

資格取得にあたって苦労したことは?

認定看護師教育課程では、基礎の生化学や解剖生理だけでなく、薬理学など幅広い勉強の内容についていく事に苦労をしました。痛みのメカニズムを理解する事が難しく、仲間同士でよく助け合っていました。今では仲間同士の話し合った時間も貴重な体験となり、素敵な仲間と出会う事もできました。

資格を活かした今後の目標や活動は?

私は認定看護師の資格を取り、2年目となりました。今後は大分県には数少ないがん性疼痛看護認定看護師を知ってもらい、痛みのアセスメントやコントロールに看護師が重要な役割があることを理解してもらえるよう、まずは院内から活躍していきたいと考えています。また、多職種とも連携をし、疼痛緩和に向け幅広い援助ができるよう努力していきたいと思っています。

最後にメッセージ

がん性疼痛は疾患や転移、PSや患者背景などからでもアセスメントが違ってきます。個別性のある看護が提供することはもちろん、それをアセスメントする方法を一緒に検討していきたいと思います。

緩和ケア認定看護師とは、どういう資格ですか?

緩和ケア認定看護師は、緩和ケアの基本である対象者の全人的苦痛とそのQOLに焦点をあてたアセスメントを的確に行い、これに基づく個別性を重視した日常生活への支援が求められています。具体的には、疼痛、呼吸困難感、全身倦怠感、浮腫などの『身体的な苦痛緩和』と、患者様やご家族への喪失・悲嘆などの『精神的ケア』のほか、多職種のメンバーや地域の医療福祉関係者との橋渡し的な役割を担っています。

緩和ケア認定看護師を目指したきっかけは?

私は、新人の時から外科病棟で働かせて頂く事が多く、診断・治療・終末期とたくさんのがん患者様と接する機会がありました。色んながん患者様と接する中で感じたことは、患者様は初めての経験の中で、苦しみ戸惑いながらもみんな頑張っていらっしゃるということでした。私は看護師として、がんと診断されたその時から、治療時期、がんと共に歩いている間も、ずっと患者様とそのご家族がその人らしく生活出来るように、積極的に心身の苦痛の緩和に働きかけることで、患者様とそのご家族を支えていきたいと思いました。そのためには、専門的な知識と技術を得る必要があると考えました。

得にあたって苦労したことは?

私は今まで、総合病院で働いた経験しかなく、実際に在宅に帰った患者様の生活や介護保険制度についての知識や経験が少なかったため、訪問看護ステーションでの実習は大変苦労をしましたが、先生や仲間に支えられ、たくさんの学びを得ることが出来ました。

資格を活かした今後の目標や活動は?

現在の具体的な活動内容として、院内では二次医療圏の医療者を対象に、がん医療セミナーを開催し、講習会を行っています。また、多職種と共にがんサポートチームを構成し、チーム医療でのケアを提供しています。院内のがん医療の向上を目指し、スタッフからのコンサルテーション(相談)を受け、実践と結びつくようなアドバイスを行うことで、スタッフの育成も目指しています。

最後にメッセージ

今後も専門的な技術提供の追求を行い、自己研鑚を続け、患者様とそのご家族が、生きる喜びを感じる事が出来るようにサポートしてまいりますので、お気軽にご相談ください。

新生児集中ケア認定看護師とは、どういう資格ですか?

早産児、低出生体重児、ハイリスク新生児の発生数は増加しており、NICU・GCUの必要性はますます高まるものと予測され、新生児領域の看護師はその専門性をより高く求められています。「障害なき生育」のためにストレスを最小限に神経行動学的な発達を促すための個別化されたケアの実践を行っていく必要があります。

新生児集中ケア認定を目指したきっかけは?

長く新生児看護に携わっていると重症児の看護や母子関係、家族構築など様々な場面に直面し、倫理的な問題も含むことがあります。子どもやご家族に寄り添うため何かできないかと考えた時、より高度な実践スキルを学ぶ必要性を強く感じ資格取得を目指しました。

資格取得にあたって苦労したことは?

当初は最新の知識を座学で習得する事や自らの意見をまとめる作業などに慣れず苦労したこともありました。しかし、資格取得のために送り出してくれた同僚に感謝しながら乗り越える事ができ、無事に資格取得に至りました。

資格を活かした今後の目標や活動は?

ご家族に対しても母児分離状態、危機的心理過程、社会的ハイリスクなど様々な要因があり、ご家族の一員として迎える為、院内外の関係職種と連携し支援しています。

最後にメッセージ

今後は、学んだ知識・スキルを子どもに対して最適な看護は何か、専門知識に基づき判断し実践していきたいと思います。また、自らが手本となり専門知識や看護技術などを指導し、水準の高い看護を行えるように働きかけたり、直面する問題や疑問の相談に乗り、改善策を導き出せるように支援していきたいと思います。
また、多くの院内スタッフにも地域周産期母子医療センターの役割や新生児集中ケア認定看護師を周知してもらえるよう積極的に発信していきたいと思っています。

摂食・嚥下障害看護認定看護師とはどういう資格ですか?

何らかの原因により、口から食べる事が難しくなった方に対して、熟練した知識や看護技術を用いながら、食べる楽しみを再び取り戻せるよう、患者や家族、看護職等への指導及び、相談対応を行います。また、食べるためのリハビリにおいて、多職種と協働し、チーム医療の連携といった役割を行います。

摂食・嚥下障害看護認定看護師を目指したきっかけは?

私が摂食・嚥下障害看護認定看護師を目指した理由は、看護学生時代の学長の言葉です。『「看護技術のプロ」になりなさい』と話をされた当時は、国家試験取得が目標であり、看護の基礎・基本については、深く考えられていませんでした。しかし、看護師を8年経験した頃に、「看護」という職を続けていくために、ただ働くのではなく、より専門的に学びを深める事がないかと考えました。そんな時、相談した先輩から、ある番組で食事援助のすごい看護師がいると言った話を聞きました。インターネットで検索したところ、たまたま看護協会に来る事がわかり、滑り込みで研修を受講しました。その研修は、自分の看護を見直すきっかけにもなり、食事介助技術の奥の深さや・難しさ、食べることの意味について考える機会になりました。学んだ技術を実践してみると、口から食べれるようになった患者様の表情や回復の変化に気付き、関わったスタッフ一同の顔が感動と喜びを感じていました。まさに、必要なのは「これだ」と思った瞬間でした。

資格取得にあたって苦労したことは?

研修期間を12月に終了し、翌年の5月が認定試験でした。試験までの約半年間、仕事と勉強との両立は、体力的にも精神的にも非常に辛く、苦労しました。

資格を活かした今後の目標や活動は?

摂食嚥下障害における4大リスクは、「低栄養」「誤嚥・窒息」「脱水」「食べる楽しみの喪失」といったものがあります。これらは入院中のみならず、退院後も生じ安く、私たちは、入院時からこのリスクを予測し介入することが必要です。そのためには摂食嚥下に関する知識や技術に特化したメンバーを育成する事、誤嚥や窒息の予防マニュアルなどを含め、病院におけるシステム整備を行っていきたいと思っています。また、当院には多くのチームも所在しており、院内でのチームとの連携を通して、患者家族の入院から退院後の継続した支援を行っていきたいと考えています。

最後にメッセージ

「人」に「良」と書いて「食」。そんな食に関する知識や技術をを通して、多くの患者や家族、医療者のお役に立ちたいと思って日々活動しています。食事に興味のある方、色々なことに悩んでいる方、共に働きたい方、ぜひご相談ください。

認知症看護認定看護師とは、どういう資格ですか?

高齢者の増加に伴い認知症高齢者も増加し、そして認知症高齢者の入院も増えてきています。入院することで、せん妄発症やBPSD(行動心理症状)増悪をする方も多いため、少しでも安全に安心して治療をしていただけるように、認知症ケアチームで活動をしています。

認知症看護認定看護師を目指したきっかけは?

認知症高齢者が、せん妄やBPSDで興奮したりすることで、看護師としてどう対応をすれば良いか、どのように関われば良いか悩むことが多く、認知症について調べていくうちに、興味を持つようになりました。

資格取得にあたって苦労したことは?

まず教育機関受験への勉強は、情報も少なく、どのように何を勉強すればよいか悩みました。教育課程終了後は、学んできたことをどう現場に活かすか試行錯誤する日々の中、資格試験の勉強を同時に行っていく必要があり、苦労しました。

資格を活かした今後の目標や活動は?

今年度、認知症ケアチームを立ち上げ、活動(週1回のカンファレンスやラウンド)を開始しています。チームは、医師・看護師・社会福祉士・薬剤師・臨床心理士・リハビリ部門と、多職種で構成されています。約半年経ちますが、試行錯誤しながら、カンファレンスやラウンドの方法を日々検討しています。まだまだ未熟なチームですので、メンバー個々の力量を向上させ、専門性をもっと活かせるチームへ成長出来るようにしていきたいです。

最後にメッセージ

認知症看護に対し、苦手意識を持つスタッフも多いです。苦手意識の原因は、認知機能低下により何度も繰り返す同じ言動やBPSDへの対応などで疲弊していることや、傷が治るというような視覚で評価できるものではなく実践に対する結果が見えづらいことなどが考えられます。その苦手意識を少しでも無くせるように、スタッフへの教育や支援を行っています。
認知症患者さんは、同じことを何度も聞いてきたり、説明を理解できなかったりする人も多くイライラしてしまうことがあると思いますが、まずは患者さんの立場になって「患者さんの困りごとは何か?」と、その行動の理由や原因を考えることが大切です。ゆっくり関わることが出来れば良いですが、なかなか多忙な業務の中で、ゆっくり時間を作ることが難しい現実もあり、急性期病院での認知症看護の在り方を模索中です。認知症看護の歴史はまだ浅いので、皆さんと一緒に、より良い認知症看護を築いて行ければと思っています。

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